国産畳表と中国産畳表の違い

同じい草を使った畳表でも、産地によっては違いがあります。
中国畳表と国産畳表を比較してみました。

畳表製造までの工程及び比較

畳表製造までの各工程別に比較しています。(上段が工程、下段が下表の比較項目)

工程 いぐさの植付⇒ いぐさの刈り取り⇒ 染土加工⇒ 乾燥⇒ 織機にて畳表にする⇒ クリーン加工
比較項目 いぐさ
土壌
いぐさ収穫時期 染土
染土加工
乾燥
臭い
いぐさ織機 クリーン加工
いぐさ 国産 国産いぐさ苗を使用 国産いぐさを移植して使用しています。
中国産 国産いぐさ苗を使用
土壌 国産 しっかり管理されている 中国産表は、土壌や農薬の管理体制がよく判らない。
中国産 管理体制が不明
いぐさ収穫時期 国産 6月下旬~7月上旬 中国産表は収穫が早い為、表皮が柔らかく成熟が不十分⇒表皮が剥けやすい。
中国産 約1ヶ月早い ×
染土 国産 淡路島産等を使用 国産の染土は中国いぐさに合わないという指摘もある。
中国産 日本の染土とほぼ同じ
染土加工 国産 天然染土のみ使用 中国表は敷きこみ後、黒ずんだり服等に染料が付着することがある。
中国産 天然染土+染料
中国表はいぐさが未成熟で染まりにくい為
×
乾燥 国産 時間をかけ、ゆっくり乾燥する
ある程度の水分を含む
中国表は、いぐさが枯れたように変色するものがある。
いぐさ自身が固くなる(手触りも固い)
中国産 急速に乾燥する
ほとんど水分は残らない
×
臭い 国産 すがすがしい香り 中国表は、管理上乾燥不良なものがあり、その水分の影響により異臭が出るものがある。
中国産 異臭のするものがある
いぐさ織機 国産 最新鋭の機械を使用 中国表は、打ち込みが浅くなることがあり、いぐさの通りがまっすぐにならない。
中国産 旧型の機械を使用
クリーン加工 国産 加工せず 中国表は、敷きこみ後、色がはげることがある。
中国産 中国表は染まりにくい為、
染土を除去し表面に再度染色する
価格 国産 高い × 中国表は安価
中国産 国産価格の約70%

まとめ

  1. 国産畳表と中国産畳表の根本的な違いはない。
  2. 中国畳表の短所は、ほとんどいぐさの刈り込み時期と乾燥工程に起因しいいる。
    [ 刈り込み時期 ]
    早いことにより、いぐさの表皮が剥けやすい。
    若いいぐさは染まりにくく、染色加工をしなければならない。
    [ 乾燥工程 ]
    乾燥しすぎているものは、硬く割れやすい。乾燥できていないものは、異臭が出やすい。
    また、農薬等管理体制が不透明という不安材料もある。
  3. 中国産畳表価格は、国産畳表価格に比べ約70%。
  4. 上表はすべての国産畳表・中国産畳表にあてはまるものではない。中国産でも四川省産の畳表は優秀。
  5. 中国産畳表の現状は、国産畳表より劣っているが工程管理の向上等で品質は良くなってきている。

使用用途

現状の使用用途

国産畳表 高級住宅 一般住宅
中国産畳表 マンション アパート等賃貸住宅 飲食店 一般住宅

付録

画像にて比較してみました。

※注意:画像故に、実物とは若干の違いがあります。
染土加工 国産 中国産畳表が着色染料を使用しているので青い。
中国産
いぐさの太さ 国産 中国表のいぐさは、未成熟な為細い。
中国産
いぐさの通り 国産 中国表は、旧型機械で製造される為、
いぐさのとおりがまっすぐでない。
中国産